平安時代に中国から渡来したと言われている山椒は有馬山椒や朝倉山椒など兵庫県産のものが有名です。醤油、酒、みりんなどの調味料で煮た佃煮は、保存性が高く爽やかな香りが特徴です。
タケノコが旬を迎える春は、かつおの漁期がはじまる時期でもあります。昔から太平洋で獲れるかつおは焼津港を中心に水揚げされていましたが、鮮度を保つのが難しいカツオをなまり節にして日持ちするようにし、関西方面に届けていました。
なまり節と一緒に煮込むことで魚のうま味がタケノコに浸みこみ、山椒の香りが程よいアクセントになっています。
- なまり節(亀節)
- 300g
- 茹でタケノコ
- 250g
- 実山椒の佃煮
- 大さじ1
- ショウガ(千切り)
- 20g
- 日本酒
- 30㏄
- 薄口醤油
- 50㏄
- 砂糖
- 大さじ3
- 水
- 500㏄
- なまり節は手で大きめに裂いておく。
- 茹でタケノコの先は4㎝程度の長さの薄切りにし、根本は5mm程度の厚さのいちょう切りにする。
- 鍋に水、日本酒、醤油、砂糖を入れて煮立たせる。
- なまり節とタケノコ、ショウガを加え、落しぶたをして中火で煮る。
- 途中で実山椒の佃煮を加え、煮汁が1/3程度になるまで煮詰める。
本多 真
焼津港で水揚げされるかつおは、奈良時代から朝廷に献上されてきたという深い歴史があります。鉄道輸送などの手段がなかったころはかつおを煮てから干して保存性を高めた堅魚とか煮堅魚といった加工品にしていたようです。
その後、かつおを茹でた後、二度ほど燻して少し乾燥させたものが焼津をはじめとする産地や周辺地域で消費されるようになり、鉄道輸送が可能になってから広域に流通するようになりました。これを若節と呼び、内陸に位置する京都や大阪、兵庫をはじめ、各地に送っていたそうです。
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