家庭用の冷蔵庫が普及していなかったころ、内陸部では現在のようにお刺身を食べる習慣はありませんでした。
海産物は塩漬けや干物として流通することが多く、毎年初夏になると行商人が「かつおのなまり節」を売りにくるのが贅沢だったそうです。
夏に入ってナスやインゲンなどが採れるようになると、なまり節と夏野菜をだしで一緒に煮たものがご馳走になりました。なまり節のうま味が野菜に浸みこんでおいしく食べられます。
- なまり節(亀節) 粗くほぐす
- 1節分(約300g)
- ナス
- 4本
- ショウガ(スライス)
- 20g
- ショウガ(千切り)
- 20g
- インゲン(1/2カット)
- 100g
- Ⓐ 醤油
- 60㏄
- Ⓐ 砂糖
- 大さじ2
- Ⓐ 味醂
- 60㏄
- Ⓐ 水
- 250㏄
- サラダ油
- 適量
- ナスは縦半分に切り、切り込みを入れたら水にさらしてアクを抜いておく。
- ①のナスは水気をとり、サラダ油をひいたフライパンで炒める。
- 鍋にⒶの材料とショウガ(スライス)を入れて煮立てたら、なまり節を加える。
- ②のなすを加え、落し蓋をして味を浸み込ませる。
- 最後にインゲンを加えてひと煮立ちさせる。
- 器に盛り付け、ショウガ(千切り)を添える。
本多 真
料理のルーツに書いた「家庭用の冷蔵庫が普及していなかったころ」というのは1960年代前半くらいまでのことでしょうか。豊かな暮らしの象徴として白物家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)が三種の神器と呼ばれていたころは今のように各家庭に冷蔵庫はありませんでした。
今のような車社会ではなかったので、海の方から行商に向かう人も迎える人も季節の風物詩のように楽しみにしていたのでしょうね。
なまり節は時期に採れる野菜と一緒に炊くことで旨味を加え、栄養も取れる優れた食品だったようです。ノンオイルで余計な味をしていないなまり節の魅力を見直したいと思っています。
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