アズーはロシア西部に位置するタタールスタン共和国を中心に、シベリア、中央アジア、極東などユーラシア大陸に幅広い地域で生活しているタタール人の伝統的な料理の一つで、家庭料理として良く食べられています。
トルコ系民族としてのタタール人はイスラム教徒が大半を占め、昔から様々な民族との交流がありました。そのため関わりのあった民族の食材や料理を独自の文化に合わせる形で取り入れていったようです。(※ ロシアやヨーロッパではモンゴル人のこともタタールと呼びます。生肉を刻んで食べるタルタルステーキはモンゴル人が馬肉を生食していたことにルーツがあるとされています。)
そのため、タタール料理にはヨーロッパとアジアの料理を融合させたようなものが多く、小麦、羊や牛などの肉、ジャガイモなどを中心に、他地域から持ち込んだ食材やスパイスなどを組み合わせて作るようになったといわれています。
アズーの場合は、揚げた牛肉(または仔羊肉や馬肉)とジャガイモ、タマネギ、ピクルスなどをスパイシーなトマトソースで煮込んで作ります。栄養が豊富で身体を温める効果も期待できるこの料理は、昔は疲れを癒すご馳走として位置づけられていたようです。ちなみに「Азу」(アズー)は食べ物を意味するタタール語である「Еда」(イェダ)に由来するという説があります。
- シチュー用ビーフ(棒状にカット)
- 300g
- ジャガイモ
- 4個
- サラダ油
- 適量
- タマネギ(スライス)
- 1個分
- ニンニク(スライス)
- 2片分
- コルニッション(スライス)
- 3個分
- トマト(缶詰、ダイスカット)
- 200g
- 食塩
- 適量
- 黒コショウ
- 適量
- チリパウダー
- 0.5g
- 水
- 適量
- ジャガイモは皮を剥いて1.5㎝の棒状にカットし、水にさらしておく。
- フライパンにサラダ油をしいて中火にかけ、ジャガイモの表面を焼いたら一旦取り出しておく。
- シチュー用ビーフを入れて少し焼いたら、タマネギとニンニクを加えて炒める。
- タマネギとニンニクに火が通ったら、トマトを加える。
- 一煮立ちしたらコルニッションとチリパウダーを加えて混ぜ合わせる。
- 水を加えて沸騰させたら塩コショウで味を整え、少しに詰める。
- ②のジャガイモを加えて味をなじませる。
家庭料理として根付く料理は特別な食材よりも手に入れやすいものを使うことが多いはず。
アズーは異国から伝わった食材を取り入れたことがルーツになっているそうなので、最初の頃は高級食材をつかった特別な料理だったのかもしれません。しかし、交易が盛んになり徐々に一般的な食材に変化していく中で、特別な日のご馳走が家庭料理として広く食べられるようになったのだろうと思います。美味しい料理というのはみんなが食べたくなって時間が掛かっても定着していくのでしょうね。
本来は生の牛肉を炒めてから煮込むところですが、今回はシチュー用ビーフを使用しました。下味をつけて柔らかくなるまで火を通したシチュー用ビーフを使うことで、煮込む時間を大幅に短縮しても柔らかな食感に仕上げることができました。(余裕があったので今回はレストラン風の盛付にアレンジしてみました。)
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