スリランカはインドの南東に位置し、シンハラ王朝で知られる仏教王朝文明が栄えた島国です。紀元前にスリランカに伝えられた仏教は上座部仏教(小乗仏教)だったため敬虔な仏教徒が多く、1815年にイギリスの植民地になったことでシンハラ王朝は滅びましたが、仏教信仰は根強く続きました。セイロン紅茶で知られるこの国は、1972年にスリランカ共和国と改称されるまではセイロンと呼ばれていました。
仏教徒が人口の7割ともいわれているスリランカ上座仏教はテーラワーダ仏教という古い宗派で、6世紀に百済から日本に伝えられた仏教とは異なります。その一つに食のタブーが挙げられます。日本では菜食主義である精進料理が発達しましたが、スリランカでは必ずしも完全な菜食主義というわけではありませんでした。昔から漁業も盛んで色々な種類の魚介類の干物も作られています。中でも親しまれている食材にウンバラカダ(モルディブフィッシュ)というカツオ節(荒節)の原型と言われているものがあり、砕いた粉末をカレーや炒め物、煮物、和え物など様々な料理に使います。
ウールマス・ミリサタのウールマスは豚、ミリスは唐辛子。ミリサタというとチリ炒めになるので直訳すると「豚肉のチリ炒め」ですが、この料理にはポークカレーとすべきポイントがあります。
それは、唐辛子だけを使うのではなく複数のスパイスを使いココナッツミルクも入れるところです。インドから仏教とともに伝えられたアーユルヴェーダに基づく薬膳の考え方をレシピに取り入れることで複雑な味を生み出しているとも言えそうです。
- シチュー用ポーク(一口大にカット)
- 440g
- タマネギ(2㎝角切り)
- 100g
- トマト(3㎝角切り)
- 100g
- ニンニク(みじん切り)
- 10g
- ショウガ(みじん切り)
- 25g
- 青唐辛子(1.5㎝輪切り)
- 2本分
- Ⓐ フェンネルシード
- 1g
- Ⓐ ローリエ
- 2枚
- Ⓐ シナモンスティック(砕く)
- 3㎝分
- Ⓑ チリパウダー
- 6g
- Ⓑ カレー粉
- 12g
- Ⓑ ターメリック(パウダー)
- 2g
- Ⓑ 黒コショウ(パウダー)
- 3g
- Ⓑ カルダモン(パウダー)
- 1g
- Ⓑ クローブ(パウダー)
- 1g
- Ⓑ カレー粉(焙煎)
- 12g
- ココナッツミルク
- 50g
- 穀物酢
- 15g
- 食塩
- 少量
- 水
- 200㏄
- サラダオイル
- 適量
- トマト(くし切り、トッピング用)
- 適量
- ピーマン(スライス、トッピング用)
- 適量
- ジャスミンライス
- 300g
- 水(炊飯用)
- 450㏄
- ジャスミンライスを炊いておく。
- Ⓐ、Ⓑの材料はそれぞれ混ぜ合わせておく。
- サラダオイルをひいたフライパンを火にかけて、ニンニクとショウガを入れ、香りが出るまで炒める。
- Ⓐを加えてさらに炒めて香りを出す。
- タマネギ、青唐辛子を加え、タマネギが色づいたらⒷとトマトを加えて馴染ませる。
- ⑤をフライパンの片方に寄せて火から遠ざけ、半面でシチュー用ポークの表面を焼いてから混ぜ合わせる。
- 水、ココナッツミルク、穀物酢、食塩を入れ、軽く煮込んで味を調える。(※ ココナッツミルクは煮込みすぎると分離するので2分程度で仕上げる。)
- 深皿に盛り付けたらアクセントにトマトとピーマンをトッピングする。
この国はもともとスリランカという名前だったそうですが、シンハラ語の発音を英語に直すのが難しく、セイロンという島の名前の方が伝わっていったようです。セイロンも元はシンハラ・ディーパ(獅子の子孫の島)という言葉です。(シンハラ王朝の王家が獅子の子孫だという建国神話に基づくもので、現在の国旗にも剣を持つ獅子が描かれています。)これがポルトガル訛りで変化してセイラーンとなり、英語ではセイロンとなったことでイギリス領だった頃に国名として採用されました。その後、イギリスから独立し24年たってから元の名前に戻したのだそうです。因みにスリランカという国名は、シンハラ語で「聖なる光り輝く島」という意味があります。
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