ハンガリーの国民食として知られているグヤーシュは、元々プスタと呼ばれる大平原で飼われていた牛(グヤ)と羊飼い(グヤーシュ)に由来しています。
ただし、初期のグヤーシュや牧夫たちが仕事をしている間、ボグラーチという金属製の鍋を焚火にかけ、肉とタマネギを塩水で煮たものでパプリカは入っていなかったそうです。
パプリカは15世紀末に新大陸から持ち込まれた調味料で当初はトルコ胡椒と呼ばれるほどとても辛いものでした。その後、品種改良によって辛さが和らいだことで農民たちがグヤーシュに加えるようになったといわれています。(ハンガリー産の甘味のあるパプリカパウダーには専用品種があり、セゲド地区やカロチャ地区で栽培されています。)
ハンガリーは、17世紀末から1873年までの長い間ハプスブルク帝国に制圧されていました。その時にハンガリーの貴族たちが隣国との違いを表そうとハンガリー独自の文化を探したときに着目したのがグヤーシュでした。ハンガリー人の主権を取り戻すために愛国主義を高めようと、伝統的な食事をはじめ、民族衣装や貴族が着ていた服装などに着目して、ドイツ語圏とマジャル語圏の文化の違いを明確にしました。そして1848年に興ったハンガリー革命の後に、日常食だったグヤーシュは身分の違いを超えて自国を代表する料理として認められることになったのです。
- シチュー用ビーフ(1.5㎝角切り)
- 200g
- ラード
- 30g
- タマネギ(粗みじん切り)
- 120g
- セロリ(みじん切り)
- 50g
- パプリカパウダー(ハンガリー産)
- 大さじ1
- ローリエ
- 1枚
- キャラウェイ(パウダー)
- 適量
- ニンニク(みじん切り)
- 1片分
- 水
- 適量
- ジャガイモ(1.5㎝角切り)
- 大1個分
- ニンジン(1.5㎝角切り)
- 50g
- シチュー用ビーフの肉汁
- 大さじ1
- 赤パプリカ(1.5㎝角切り)
- 1/2個分
- 黄パプリカ(1.5㎝角切り)
- 1/2個分
- トマト(水煮)
- 160g
- 食塩
- 適量
- 黒コショウ
- 適量
- トマト(水煮缶、ホール)は予め手でつぶしておく。
- ラードでタマネギとセロリを炒める。
- パプリカパウダーを加え混ぜ合わせる。(焦げないように注意する。)
- シチュー用ビーフを加えて軽く炒め合わせる。
- ローリエ、キャラウェイ、水、ジャガイモ、ニンジン、パプリカを加える。
- 野菜に火が通ったらシチュー用ビーフの肉汁を加え、柔らかくなるまで煮る。
- ①のトマトを加えて軽く煮込む。
- 塩コショウで味を調える。
ハンガリーの色々な地域でグヤーシュをはじめとするパプリカーシュ(パプリカ味の、パプリカ煮)を食べました。共通するのはハンガリーの甘いパプリカをつかったタップリのスープが肉や魚、野菜と一緒に煮込まれていてとても滋味深いということ。特に鯉や小魚などを使ったハラースレー(フィッシュスープ)は器の下に解れた魚の身がこずんでいます。他にも鶏のレバーを使ったりナマズを使ったりとパプリカーシュには色々なバリエーションがあって、それぞれ素材の特徴がでていて美味しいですよ。
株式会社いちまる 食品事業部 営業部 ブラ・ド・シェフ営業課
本部 :TEL:054-628-4115 FAX:054-628-8134
東京営業所:TEL:03-6809-2723 FAX:03-6809-2724
大阪営業所:TEL:06-6195-8477 FAX:06-6195-8478