グヤーシュは“牛飼い”という意味で、放牧や農作業の合間の昼食用に、戸外に釜を作りボグラーチという大鍋で牛肉と野菜を一緒に煮込んだのが、グヤーシュスープの始まりとされます。家庭でも頻繁に調理され、パプリカパウダーを使った赤いスープに、牛肉、ニンジン、ジャガイモのほか、パースニップ(白ニンジン)、セロリなどの野菜、小さなパスタを入れたり、マスタードやサワークリームを添えたり、地域ごと、あるいは家庭ごとに異なる味わいがあります。
レストランではメイン料理の前のスープという位置づけですが、家庭では牛肉も野菜もたっぷり入れて、メインとして食べることもあります。
グヤーシュスープの調理で重要なのが、パプリカパウダーの入れ方です。パプリカパウダーは熱に弱く、焦がしてしまうと色も味も損なわれます。具材に振り掛けるようにして入れ、しっかり具材と混ぜ合わせてから水を加えます。
- シチュー用ビーフ(角切り)
- 500g
- シチュー用ビーフの脂
- 70g
- タマネギ(みじん切り)
- 250g
- ニンニク(みじん切り)
- 30g
- 赤パプリカ(さいの目)
- 50g
- パプリカパウダー
- 10g
- トマト(さいの目)
- 50g
- ニンジン(角切り)
- 200g
- ジャガイモ(角切り)
- 300g
- 赤ワイン
- 20g
- 食塩
- 適宜
- 黒コショウ
- 適宜
- 水
- 適宜
- キャラウェイシード(パウダー)
- 適宜
- シチュー用ビーフの脂を熱した鍋にタマネギを入れて炒め、きれいなキャラメル色になったらニンニクと赤パプリカを入れて炒める。
- 全体に火が通ったら鍋を火から離して1分ほど休ませ、パプリカパウダーを加え、具材と混ぜる。(パプリカパウダーは焦げやすいので、鍋肌に触れないよう食材に振りかける。)
- トマトを加えて再度加熱し、水分が飛ぶまでじっくり煮込んだら、水と塩・黒コショウ・キャラウェイシードを加える。
- シチュー用ビーフとパック内の煮汁を全て鍋に加え、ニンジンも加えてさらに煮込む。
- ニンジンに半分ほど火が通ったらジャガイモを加え、全てに火が通るまで煮込む。
- 水分が飛びすぎてしまったら水を追加して味を確認し、仕上げに赤ワインを加える。
ラーツ・ゲルグー シェフ
スービットされたシチュー用ビーフは下味がついていてスープの味とよくなじみ、非常に柔らかいので長く煮込む必要はありません。肉汁もそのままスープに入れれば味わいが深くなります。脂身はタマネギを炒める際の牛脂として使うことで香りも加わり、無駄なく使うことができます。
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