タクタクはペルーの海岸地方に位置し、首都として繁栄してきたリマを中心に発達してきたクレオール料理の一種。クレオール料理はミシシッピ川より西側に位置するルイジアナ州南部からラテンアメリカ全域に定着しており、先住民やヨーロッパ、アフリカ、中国などの料理や調理法・味付けなど多様な要素が影響し合って融合したものです。
これは1533年に黄金帝国を求めて探検を続けたフランシスコ=ピサロによってインカ帝国が滅亡し、太平洋沿岸のリマがペルー副王領の首都になったことで始まりました。スペイン人はCostaと呼ばれるペルーの沿岸部にアフリカの人々を労働力として移民させ、綿花やサトウキビを栽培するためにプランテーションを開拓していきました。
植民地時代が続くうちに現地生まれのスペイン人も増えていき、このような子孫は「クリオーリョ」と呼ばれました。クリオーリョ (Criollo)とはスペイン語で「自国のもの(その土地生まれ)」という意味がありクレオール料理のルーツになっています。
最初に入植したスペイン人は勿論のことクリオーリョ達も、ヨーロッパから牛や豚などの家畜やタマネギ、セロリ、ピーマン、ニンニクなどの野菜も持ち込みました。裕福な家庭では自分たちが調理するのではなく、アフリカ人たちがその役割を担ったようです。その結果、先住民が食べていた食材や料理とヨーロッパから持ち込まれた食材や料理が混ざり合った料理や、アフリカの調理法を用いた料理が生み出されていきました。
その後、18世紀に入ってからルイジアナ州がフランス領になって新たな文化が持ち込まれました。さらに19世紀にイタリア人が移民してきたことで、もともと南米原産のトマトを多用した料理がクレオール料理の特徴として定着しました。その後、中華系の移民たちが醤油味や強火で炒める調理法を持ち込んだことでクレオール料理は多様性を増したといわれています。
- シチュー用ポーク(スライス)
- 400g
- 白インゲン(乾燥)
- 150g
- インディカ米
- 300g
- 水(炊飯用)
- 450cc
- ニンニク(スライス)
- 2片分
- タマネギ(みじん切り)
- 1個分
- トマト(中玉、ダイスカット)
- 1個分
- アヒ・アマリージョ(ペースト)
- 大さじ2
- サラダオイル
- 60g(大さじ6分)
- 水(フリホール用)
- 1ℓ
- 食塩
- 適量
- 紫タマネギ(スライス)
- 50g
- ライム(1/8くし切り)
- 1/2個分
- 白インゲンを柔らかくなるまで茹でたらザルに空けて水を切っておく。
- インディカ米は炊いておく。
- フライパンにサラダオイル(大さじ2)をひいて火にかけ、ニンニクとタマネギを炒める。
- タマネギがしんなりして色づいたらトマトとアヒ・アマリージョを加え炒め合わせる。
- シチュー用ポークと白インゲンを加えたら水(フリホール用)を入れて1時間ほど煮込み塩で味を調える。
- ⑤に②のご飯を加えてしっかり混ぜ合わせ4等分にする。
- サラダオイル(大さじ1ずつ)をひいて火にかけたフライパンで表面がカリッとするように焼く。(中がしっとりした状態に仕上げるのがコツ。)
- 皿に盛り付けたら、ライムと紫タマネギを添える。(目玉焼きを乗せても良い。)
タクタク(Tacu tacu)は、ペルー先住民のひとつであるケチュア語の「Tacuy=混ぜる」という言葉がルーツになっている料理でフリホール(Frijol)という南米原産の白インゲンを使った煮込みをライスにかけて食べる料理がベースになっています。フリホールとライスにアヒ・アマリージョやニンニク、タマネギ、トマトなどを混ぜ合わせ焼き固めたものがタクタクですが、ベースになるフリホールに牛肉や豚肉などを入れて煮込んだものや、シンプルなタクタクにテーキや目玉焼きを乗せたり魚介類を添えたりすることもあります。
肉や魚介類が入らないシンプルなタクタクにロモ・サルタードのような炒め物を一緒に盛り付けて提供するレストランもあるようです。ロモ・サルタードは牛肉と野菜をペルー醤油で味つけした料理で中華系の移民が生み出した料理でフライドポテトを添えるのが基本です。タクタクとロモ・サルタードの盛り合わせは、先住民の料理にスペインやイタリア・フランスの食材がアフリカ流に入って、中華系の料理と一緒に食べるということになります。歴史が生んだインターナショナルな一皿と言えますね。
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