ミチロネスは、地中海に面するバレンシア地方やその南にあるムルシア地方の料理で特に寒い時期に良く食べられている煮込みです。バレンシア地方やムルシア地方は海が近く温暖な気候のため穀倉地帯が続き、野菜や果物生産も盛んな地域です。特にムルシアは乾燥ソラマメやドゥルセと呼ばれるパプリカで作ったパプリカパウダーが有名で輸出もしているほどです。
ミチロネスはこのソラマメと豚肉、チョリソを、生ハムを食べた後に残った骨やパプリカパウダー、ニンニク、ロリエなどと一緒にカスエラ(土鍋)で長時間煮込んで作る伝統料理です。入れる具材が少なく、作り方もシンプルですが、生ハムの骨から出る味や風味が豆に浸み込むことで体の中から温まる深い味に仕上がります。
またバレンシア地方やムルシア地方はお米を使った伝統料理でも有名です。しかし、有名なパエジャ(アロス・セコ、Arroz seco:乾燥した米という意味)はバレンシア地方の料理です。ムルシア地方ではカルデロという鉄製の壺でつくる魚介のリゾット風のようなカルデロ(アロス・カルドッソ、Arroz Cardoso:出汁風味の米という意味)という漁師料理が有名です。
- シチュー用ポーク(2㎝スライス)
- 240g
- シチュー用ポーク(肉汁)
- 60g
- 乾燥ソラマメ
- 300g
- チョリソ・フレスコ(パプリカ入り)
- 200g
- ハモン・イベリカの骨
- 約6㎝×2本
- ピメントン(パウダー、ドゥルセ)
- 8g
- ニンニク(つぶす)
- 1片
- ロリエ
- 1枚
- オリーブオイル(オヒブランカ)
- 24g
- 水
- 1500㏄
- 食塩
- 適量
- 乾燥ソラマメはたっぷりの水で一晩戻し、ザルに空けて水を切っておく。
- オリーブオイルをひいた鍋を弱火にかけたらニンニクとロリエ・チョリソを入れ、焦げずに香りが出るように炒める。
- チョリソに火が通ったら一旦取り出し、3~4㎝程度にカットして鍋に戻す。
- ピメントンを入れて良くなじませてから生ハムの骨を入れ、水とシチュー用ポーク(肉汁)を入れ中火にかけて沸騰させる。
- ソラマメを入れ、フタをして3時間ほど煮込む。
- シチュー用ポークを入れて更に15分ほど煮込み、塩で味を調える。
スペインにはアラブ人が作った建物にキリスト教の建築様式を取り入れて改築した建物が沢山あります。以前、私が宿泊したホテルの中に一番下がアラブ様式、二番目がユダヤ教の造り、三段目がイスラム教のデザイン、最上段がキリスト教の建物という摩訶不思議な建物があって驚いたことがあります。
ムルシアもイスラム教とキリスト教の歴史を強く感じられる街として有名です。
ムルシアは西暦831年にイベリア半島を制圧しコルドバのカリフ(ムハンマドの後継者)だったアブデラマン2世によってカリフ王国の県都にされたことでアラブに起源をもつ都市がつくられていきました。11世紀になるとムルシアはイスラム小侯国としてムルシア王国になりましたが、1243年にレコンキスタ(キリスト教徒による再征服活動)によってカスティーリャ王国の保護領になり編入されました。そのために、ムルシアにはイスラムによって支配されていた歴史を感じるアラブ様式の遺構とキリスト教のゴシックやバロックなどの建築様式で作られた教会などが入り混じっているのです。
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