ギリシャは地中海やエーゲ海、イオニア海に面し、温暖な気候に恵まれていたため紀元前8世紀頃から各地にポリス(都市国家)ができて古代文明が発達した地域です。海に囲まれたギリシャの島々では、漁業は勿論のこと早くから農業や畜産なども盛ん行われてきました。そのため、ポリスが形成される前から人々の移動や交易が盛んに行われており、小アジアに起源をもつオリーブの木も紀元前14~12世紀にシリア、トルコを経て持ち込まれました。オリーブの木は穀類が育ちにくい痩せた土地でも育つため、ギリシャやローマなど地中海沿岸地域に広まっていったといわれています。
スティファドは、クレミダキァ・スティファドという小ぶりなタマネギを使っていたことからつけられた名前です。牛肉を使って作るスティファドが知られていますが、豚肉や兎肉や鶏肉などを使ったり、タコやエスカルゴを使ったりと様々なバリエーションが存在します。味付けも様々ですし、今ではタマネギもクレミダキァ・スティファドに限らず、普通のタマネギになることがあるほどです。
いずれにしても、たっぷりのタマネギにオリーブオイルをひいた鍋で焼くことで甘味を出し、トマトやワインビネガーの酸味にワインの風味を加え、クローブやオールスパイスなどの香りが効いたソースでお肉をオーブンなどでじっくり煮込むところはギリシャ料理の特徴として共通しています。
- シチュー用ポーク(1.5㎝スライス)
- 500g
- タマネギ(くし切り)
- 600g
- ニンニク(粗みじん切り)
- 15g
- オリーブオイル(ピュア)
- 90g
- 赤ワインビネガー
- 60g
- 赤ワイン(甘口)
- 200g
- トマトピューレ
- 210g
- 水
- 400㏄
- ロリエ
- 4枚
- 黒コショウ(ホール)
- 20粒
- クローブ
- 10粒
- シナモン(スティック)
- 2本
- 食塩
- 適量
- オリーブオイルをひいたフライパンを中火にかけ、タマネギを炒め焼き色をつける。
- ニンニクを加えて香りを出したら赤ワインビネガーを加える。
- 赤ワイン、トマトピューレ、水、スパイス類を加えたらフタをして弱火で約1時間煮込む。
- オリーブオイルをひいた別のフライパンを火にかけてシチュー用ポークの両面に焼き色をつける。
- ⑤を④の鍋に入れて軽く煮込み、食塩と赤ワインビネガーで味を調える。
- 皿に盛り付ける。
- ※ 新タマネギを使う場合は、④の煮込み時間を30分程度にする。
- ※ タマネギの水分が多いときは加える水の量を減らす。
昔からギリシャではオリーブオイルやワインを交易につかうことで穀類を手に入れてきました。そのため身近にあった羊や山羊の乳からヨーグルトやチーズなどの乳製品と近隣から持ち込まれた食材が融合した料理も作られていきました。ギリシャでは食事をとる時に人々が集まる習慣があるので、一度に沢山つくることが多いのも特徴です。そのためオーブンを使って作る料理も多く、出来立てを食べるというよりも少し時間が経ってからということが多いそうです。これはスティファドのようにビネガーを使うような料理の場合、少し時間を置くことで酸味が和らいで美味しく馴染むからなのかもしれません。
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