豚肉のリエットはフランス全土で作られていて、気の利いたビストロではパンにつけるバターのかわりに出てくることもある「贅沢なバター兼パテ」といった存在です。
ニンニクの香りをつけてカリカリになるまで焼いたガーリックトーストにリエットをたっぷり塗るのが良いとされ、メニューに「トゥールのリエット」と銘打ってあれば最高の味が保証されるといわれています。
トゥールは、フランス中部のロワール川中流域に広がるトゥーレーヌ地方の中心都市で「フランスの庭」と呼ばれるほど森あり川あり渓谷ありの美しい景観が広がる、非常に豊かな土地です。塔(トゥール)が沢山あったことからこの名がつけられたといわれ、それを裏付けるように丘陵に流れる美しい小川や森の間から見え隠れする古城が多く建てられています。それは古くから文化が栄えていたということを意味し、昔からの料理も数多くあります。
リエットは、500年以上も昔から親しまれている伝統的郷土料理です。豚肉を80℃くらいのラードで長時間煮込んでトロトロにし、適度に肉の繊維残った独特な舌触りになるように木べらで潰す作業(コラージュと呼ぶ)が重要です。好みで風味付けにタマネギ、ニンニク、白ワインを加えますが、副材料が少ないほど水分が減るので長持ちするとされています。
- グリル用ポーク肩ロース
- 600g
- シチュー用ポーク
- 400g
- 食塩
- 30g
- 白コショウ
- 1g
- タマネギ(くし切り)
- 1個分
- ラード
- 1㎏
- ニンニク(みじん切り)
- 2片分
- 白ワイン
- 720ml
- ラード
- 適宜
- 食塩
- 適宜
- 白コショウ
- 適宜
- グリル用ポーク肩ロースとシチュー用ポークを4~5㎝角にカットする。
- 鍋にラードを入れて90℃に熱し、豚肉、タマネギ、ニンニク、白ワインを入れたら80~85℃に保って30分ほど煮込む。
- 2を漉して、豚肉とニンニク、タマネギ、ラードを分ける。
- ボールに3の肉を入れて木べらでつぶす。
- 3のラードが冷めて白く凝固する前に4に加えて良く混ぜ合わせる。
- 塩コショウで味を整える。
- テリーヌ型などの容器に6を詰める。
- 別の鍋にラードを入れて溶かしたら、液体状のうちに7の上に流し込む。
トゥーレーヌ地方の農家の台所には半地下式の食料貯蔵室があってそこには、自家製の果物の加工品やリエット、豚肉のリヨンなどの加工品などが、鉢や壺に入って並んでいます。
リエットはガーリックトーストなどに塗ってオードブルとして食べるのが一般的で、ロワール産の辛口ワインとともにいただくのが最高の贅沢ですが、フランスの家庭では料理の材料としてキッシュの中身に使うこともあるそうです。また豚肉だけでなく、ガチョウやウサギ、鶏肉のリエットも存在します。
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